本当は難しいはちみつ選び!「ホンモノの蜂蜜」の見分け方

実はいま、世界中のミツバチの数がとてつもない勢いで年々減少していっています。近い将来、絶滅の危機に瀕するとも言われているほどです。
ですが、世界的にも万能の栄養食品として重宝されているはちみつはアメリカを中心にものすごく需要が高まっており、そのために大量生産されているという事実があります。
よく考えてみてください。ミツバチが減っているということは世界中に出回るはちみつも減るはずなのですが、世界のはちみつ市場はどんどん大きくなってきているんです。なぜでしょうか?答えは簡単ですね。はちみつにシロップが添加された「はちみつ風シロップ」がマーケットのメインになっているからです。
どこのスーパーでも見かけるようなはちみつシロップは、もはや本来のハチミツとは全く別の商品です。
じゃあ、どうやって本来のはちみつを見分けたら良いのか。
ここで簡単にポイントをご紹介します。
①加熱処理されていないもの
スーパーに出回っているような、どこにでも見かけるようなはちみつは高確率で加熱処理されているといっても過言ではありません。
加熱することではちみつは色や香り、粘度などを一定にすることができるので効率的に大量生産することができるようになるのです。
ですが同時に、加熱することで様々な成分が変性してしまい、たくさんの栄養素や効能、特有の風味まですべて失ってしまいます。これでははちみつを摂ること自体の意味がほとんどなくなってしまいます。
②濾過の工程が自然なもの
ご存知の通り、はちみつは蜂の巣に中に溜められています。その蜂の巣からはちみつを抽出するのはとても時間と手間がかかるものです。ですが大量に生産したい場合はゆっくりはちみつが垂れてくるのを待っていられません。
なので大量生産されているはちみつは、遠心分離機という機械にセットされて遠心力を使って時間短縮されています。
そうではなくて、ザルや布(ガーゼ)などで丁寧に時間をかけてゆっくり濾過された、より自然に近い状態で濾過されたものが、本来のはちみつの力を発揮できるといえます。
③汚染されていない土壌で養蜂されているもの
冒頭で、ミツバチの数が急激に減少しているとチラッとお話しましたが、減少の原因のひとつが農薬や殺虫剤による土壌汚染です。場所によっては放射能やPM2.5などの汚染が懸念されるところもあります。
水源の汚染も土壌汚染のある土地で育った草花からミツバチが蜜を集めることで、当然ミツバチや、ミツバチが作り出すはちみつにもその影響が出てしまいます。
はちみつの中の成分を調べる検査機関があるのですが、近年のはちみつにはかなりの高確率でこういった薬剤が検出されているといわれています。
④ミツバチに故意にエサを与えていないもの
意外と知られていない事実ですが、豚や牛のようにミツバチ用の飼料(エサ)というものが存在します。
本来、野生のミツバチは花の蜜、はちみつ、花粉を食べています。ですが養蜂家に飼われている蜂は、巣の中の備蓄が足りなくなったときに病気になってしまったり餓死しないようにするために「砂糖水」「人工のシロップ」を与えて生産量を維持しています。
また、近年ミツバチが病気で大量に死んでしまうという事象が起こってから特に、日本においてはミツバチの伝染病を防止するために「抗生剤入りのシロップ」を与えるということが国の標準となっています。
人工のシロップや抗生剤入りのシロップが添加されたエサを食べたミツバチから採れたはちみつが、本来のはちみつとは全く別のモノになってしまうということは明らかですね。
出どころが確かで安全なはちみつを探すことが大事
はちみつは本来、ミツバチが自分たちが寒い冬を越すため、また自分たちの子孫を残していくために生産されるものです。1匹のミツバチが一生に生産できる量はたったの小さじスプーン1杯と言われている貴重なはちみつ。
そんな蜂蜜を、ミツバチを丁寧に大事に育てている養蜂家から購入し、大事に摂り入れたいものですね。